手帳

 

  ショッピングモール、書店などの文房具コーナーに来年用の手帳が並ぶ季節です。
 来年用に無印良品のバーチカル型を買いました。これにした理由は2つ。


①安い。税込み1,090円。最近何年かは鑑定士協会又は宅建協会でいただくものを使っていましたが、それ以前は手帳の高橋又はNoltyでだいたい2,000円内外のものを使っていました。この料金格差はおそらくA.合成皮革の表紙カバーが手帳の高橋等は立派である、B.日記部分の後ろ約1/3くらいを占める「大都市の鉄道路線図」「印紙税」「単位の換算表」「年齢早見表」などにかなりを費やしてしているように思われる。正直言うとどちらも私には不要である。この点無印良品の手帳はA.透明ビニールですが、耐久性等は大きな問題はなさそうに思われる。 B.日記の後ろはいきなりメモになっており余計な資料がなく(特に大都市の鉄道路線図)むしろこの方がありがたい。 ということで、割安のメリットを十全に享受できるように思われました。(「十全に享受」は安いからと言って何かを我慢する必要がない、という気持ちの表現です。)

②バーチカル型にしたのは...
 最近読んだ「7つの習慣」という本に感化されました。この本に直接「バーチカル型の手帳を使いなさい。」という記述はありませんが、「第3の習慣 最優先事項を優先する」という章などにバーチカル型の手帳での記入例が掲載されていて、著者はこのタイプの手帳を念頭に記述しているように思われるのです。
 「最優先事項を優先する」と言うのは日本語としては「当たり前じゃないか!」と突っ込みたくなる一文ですが、毎日目の前の仕事を回していくのに精一杯で過ごすと、それはそれで目の前の優先事項に対応しているわけですが、それが本当の最優先事項かというとそうでもない、つまり業務遂行の効率化の作戦を練る、とか、もっと利益率の高い仕事を沢山受注できるよう営業戦略を練る、などが本来の最優先事項のようですが、どうも切迫感がない事が多く放置されがちなので、これを放置せず、つまり本来の「最優先事項」を優先するという感じの事がながながと書かれています。確かにそのような活動ができていれば、前職でパッとしない職員として定年を迎えることもなかっただろうと反省してみる。せっかく自分一人の会社ができたわけですから、今からでもやってみようか、という訳です。
 ただ、これを実施するにあたっては「毎週毎週、週始めに業務の予定を立てて実施する時間も手帳に書き込む。」というような作業が求められており、よく考えるとなかなか面倒な作業を毎週要求されることになりそうで、これは1年持たないのではなかろうか、という気持ちになる。

 というようなことを、考えていたところで日経のスポーツ欄のカズさん(=三浦知良さん)のコラムが目に入ってきました。(2024.11.8日本経済新聞スポーツ欄コラム「サッカー人として:努力なくして成功なし」です。)
 曰く、カズさんを含む一流スポーツマンはたった一つのプレーのために恐ろしいほどの努力を重ねている云々ののち、94年W杯(※1)決勝PK戦で失敗したR・バッジョの言葉が引用されている。「PKを失敗できる人間は、勇気を持ってPKを蹴った者だけだ。」PKを失敗したR.バッジョが言うと「ミスしたあなたがそれを言うのか」と突っ込みたくなりますが(※2)、カズさんはその文脈で使ってはいませんでした。私はその裏にある偉大なる努力と無慈悲な結果とに思いを馳せる訳です。せめて、自分で作った会社をうまく運用するための努力くらいは面倒がらずにやろうかな、と。
 

※1 94年W杯:1994 FIFAワールドカップ(アメリカ大会)です。このワールドカップのアジア予選で日本代表はいわゆる「ドーハの悲劇」に見舞われ、カズさんにしてみると天国から地獄への瞬間なわけです。カズさんが「94年W杯」の言葉を出すということは、このコラムでは全く触れられていないものの、何らかの思いを込めながらこのコラムを書いているだろうと容易に想像できるのです。

※2 正確にはこの言葉はその次のW杯(98年フランス大会)でPKを外した同僚に向けて語られているようです。これだと先の突っ込みは的外れだとわかります。