鑑定評価書のご説明①
今回から何回かかけて鑑定評価書に書かれている内容のご説明を記載してまいります。
不動産鑑定の会社のホームページなのに関係ない事ばかり載せてあるという批判がありますし、ホームページの実力を上げる(どうも、検索したとき上の方に来るためには実力を上げることが必要らしい。)ためには、なるべく業務に関係し、かつ役に立つ内容であることが重要らしい。
前職から、鑑定評価書を納品する際には、評価の内容をまとめたものをパワーポイントなどで説明資料を作成したものを提示して内容を説明する、ということをやっているのですが、説明の内容はどうしても「鑑定評価額を算定した過程」などに限られてしまいます。
しかしながら鑑定評価書は下に掲示した【鑑定評価書の構成(例)】に記載したような内容になっており、「鑑定評価額を算定した過程」以外の内容が多く、つまり「Ⅰ~Ⅷ」までは、「必要的記載事項」と呼ばれており「少なくとも必ず記載しなければならない内容」とされている「評価の過程」そのものではないわけです。それらは不動産鑑定について誤解などが生じる余地をなくすといったことを目的としていろいろと細かいが鑑定評価の前提となる内容を明確にしておく、というためのものです。
これらについても納品の時にしっかりと説明しておくことが望ましいのですが、現実にはこの部分をがっつりと説明するのは困難(聞いている依頼者様が飽きますし)なことが多く、ほとんどは「Ⅸ-〔Ⅱ〕 評価」のところを中心にせざるを得ないのです。
そうは言っても、それでいいのか、という葛藤は持っており、このコラムで説明書きを作成し、納品した鑑定評価書についてあとから読んでみて疑問の湧いた方はこちらを見ていただく、というやり方でどうだろうという考えです。
次回以降下記の【鑑定評価書の構成(例)】に記載の順に説明を行います。なおこちらは「不動産鑑定基準に従った鑑定評価」の鑑定評価書に関する記載であるということにいたします。
【鑑定評価書の構成 (例)】
No. | タイトル |
Ⅰ | 鑑定評価額 |
Ⅱ | 対象不動産の表示 |
Ⅲ | 鑑定評価の基本的事項 |
Ⅳ | 鑑定評価の依頼目的等 |
Ⅴ | 鑑定評価の依頼目的及び依頼目的に応じた条件と価格の種類との関連 |
Ⅵ | 鑑定評価をおこなった年月日 |
Ⅶ | 関与不動産鑑定士及び関与不動産鑑定業者に係る利害関係等 |
Ⅷ | 対象不動産の確認 |
Ⅸ | 鑑定評価額決定の理由の要旨 |
〔Ⅰ〕 | 価格形成要因の分析 |
1 | 一般的要因の分析 |
2 | 地域分析 |
3 | 対象不動産の状況 |
〔Ⅱ〕 | 評価 |
Ⅹ | 付記事項 |