「円高是正に真剣に向き合え」(日経新聞R8/1/13 経済教室)

 

 大妻女子大学の鶴 光太郎教授のご意見で内容のまとめは

 ●おこめ券など補助金に物価高悪化の懸念

 ●逆BS効果による円安の説明に問題あり

 ●マクロ経済政策の正常化を目指せ

ということになっていて、そのご意見には賛成で大変勉強になる内容なのですが、取り上げたいのは「BS(バラッサ・サミュエルソンこ)効果」というものです。恥ずかしながら全く聞いたことがないものですが、この「経済教室」の中で簡単に説明されていて、大変興味深いものでした。

 為替レートの長期の決定理論として有名なものは「購買力平価」というものがあって、同じものの価格が等しくなるように為替レートが動く、という内容で有名ではあるものの実際にはこの通りにはなかなかいかないで、その有名な例ではビックマック指数で、国によってビックマックの価格が乖離しているのである。

 この乖離を説明するのがこの「BS効果」だそうで、この経済教室内の説明だと

 ●ある国で貿易財の生産性が高まると、その担当労働者の賃金が上がる。

 ●その国の労働市場が完全に流動的ならば、貿易に関係ない労働者(例えば理髪店の労働者)の賃金も上昇する。

 ●結果として、貿易財の生産性が高い国ではその財の価格も高くなり、実効為替レートに上昇圧力がかかる。

というような感じで購買力平価が成り立たなくなっている理由の一つだそうです。で、最近30年の日本ではこの逆のことが起きていて生産性向上がなくて取り残され気味で、結果として賃金が上がらなくて、為替レートが取り残され気味である。ということのようです。

 前回1/12の「サナエノミクス」という投稿でも似たような感じの内容を書いたのですけれど、我々は生産性向上の努力を長らく怠ってきており、それが現在のインフレトレンドの理由の一つであるかもしれない。減税などで物価高を乗り切ろうというのは少々違いますよね。

 ところで話は変わりますが、1/15の日経の夕刊のコラムで「選挙が多すぎる」というものがあって、曰く

 ●今回の解散総選挙は首相にとって合理的な行動だが、あまりに選挙が多すぎないだろうか。

 ●毎週テストを課され一度でも悪い点を取れば落第させられる学生に、教養書を読めというのが無理なのと同じだ。

 ●人口減などの課題に腰を据えて取り組む時間が日本の政治には必要である。

ということで、なんとなく身につまされるお話でした。

以上