夫婦岩(岐阜市雛倉)

岐阜市の北西部の最果てに「雛倉」という集落があります。岐阜の中心市街地から向かうと県道167号線で、岐阜刑務所を横目に見て、さらに北に進むとモーニングで沢山のおかずを食べさせて下さることで有名な「ブルーナイト」という喫茶店を過ぎ1.2キロくらい走ると「雛倉」という交差点があり、400m程度走ると県道79号で東に分岐します。間もなく上の写真の「夫婦岩 雛倉」という案内の柱が現れます。
(遠景) (夫婦岩近景)
夫婦岩と言っても、上の右側の写真で見ていただくと、「石」と言った方が感覚的には正確です。でも、小さくても素敵なエピソードがありました。

夫婦岩の後ろに「夫婦岩の伝説と雛倉の言われ」というパネルがあります。令和4年10月設置とありますから、パネルの設置は岩の古さからすると結構最近のようで、これがないと何の岩かわからないので、異常に有意義なパネルだと言えます。「設置者 網代歴史研究会」と書いてあります。網代は雛倉よりわずかに南、先ほど触れた喫茶「ブルーナイト」のあたりの地名です。あのあたりの歴史好きの方々がこのパネルを設置したのでしょう。尊敬すべき行いです。
このパネルを見ますと「祐向山城」(ここからちょっと西方の本巣市にこの名の城があったとされています。)の雛鶴姫と大桑城(山県市にこの城があった。斎藤道三も居城としたことがあるため有名なお城)の高井倉之助という武士が花見の時に出会い、夫婦になることを誓ったものの、戦のため双方の城は落城し、敵に追い詰められた二人は「あの世で結ばれよう」と心中した、という物語があるそうで、この夫婦岩はこの周辺の方が二人を哀れんでこの岩を立てて祀ったとされているようです。
雛鶴姫の雛と倉之助の倉により「雛倉」という地名になっていると書いてあります。素敵なエピソードですし、このパネルを設置した「網代歴史研究会」のお心も素晴らしい。
そっと手を合わせて参りました。
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