行動経済学の使い方(大竹 文雄)

 大学時代のマクロ経済学の授業のテキストとして「入門マクロ経済学(中谷 巌)」をつかっていた。卒業後何年かして、書店で「入門マクロ経済学(中谷 巌)」の改訂版をみつけ、久しぶりに買ってみようかと手に取ってみると、隣に「スタディガイド 入門マクロ経済学」という本がおいてあり、眺めてみると中学生の頃に時々ながめた「教科書ガイド」のようなものであるらしい。つまり「入門マクロ経済学(中谷 巌)」は章ごとに練習問題があるのですが、解答が載っていない。その解答がこの「スタディガイド」に出ている。なんと素晴らしい本だ、ということで両方買ったことがある。そのスタディガイドの著者が大竹文雄先生だった。

 「行動経済学の使い方」は大きく分けて3つの内容からできている。1.行動経済学の基礎知識 2.ナッジとは何か 3.行動経済学の活用例の3つである。

 「成瀬は天下を取りに行く」で少々触れましたが、経済学、特にミクロ経済学は「合理的な経済人」による判断が前提になっているのですが、どうもこの「合理的」な判断ができるのは少数派なのかもしれない、というところから出てきたのが「行動経済学」。人間の本能が合理的な判断からちょっとずれるところを分析している。例えば、ダイエットは明日からだ、と言いながら寝る前にアイスクリームをいただく等合理的判断ではないのだけれど、よくやりがちな事柄の分析。

 ナッジとは、例えば臓器提供の意思表示の仕方など、そのやり方によってOKする人の割合が変わっていくとか、アンケートの設問の仕方によって内閣の支持率が変わっていくとか。ナッジとは「肘でつつく」という意味だそうで、何らかの判断を軽~く仕向ける、みたいなことを分析していくもの。

 ちょっとこれは、「サブリミナル」に近いのじゃないか、と思っていたのですが、どうもそうではないらしい。でも、「そうではない」理由がこの本の説明では僕としては納得しがたく、「やはりサブリミナルに近いんじゃないの?」という気持ちが消えない。この件については、是非ご一読いただいて、それぞれお考えいただきたいところです。

以上