角丸(関市・うなぎ)

 先日に続いて関市で仕事をしたので、お昼にうなぎをいただく事にしました。関市は刃物が名産でその刀鍛冶が体力をつけるためうなぎを好んだためうなぎの名店が多いと言われていて、確かにうなぎの名店は多い。これは多治見市・瀬戸市(愛知県)なども同様のようで、そちらは陶器が名産で職人さんが体力をつけるためうなぎを好んだということで、確かにうなぎ店が沢山ある。その中でもこの角丸さんは創業明治7年。相当な名店でした。

 さらにこの角丸さんは「東門前町」にあり、これは近くにある「新長谷寺(吉田観音)」の門前町であるということだろう。門前町にもよくうなぎ店は見られる。(名古屋市の熱田神宮近くの蓬莱軒をはじめとして垂井にある南宮大社やおちょぼ稲荷にもうなぎ店はあった。)

新長谷寺(吉田観音)を角丸方面から望む 

 バッチリと焦げ目をつけてパリっとさせるタイプではない。が、蒸さないで焼くため香ばしく焼けており、かなり肉厚なうなぎが提供される。美味しい。

 ところで、関東ではうなぎは蒸してから焼くのが標準になっているけれど、あれはどうなのかな?TVでは「箸で切れる位柔らかくて美味しい。」なんておっしゃっていることが散見されるけれど、私見として申し上げると「箸で切れなくてよいのです。」(箸で切ろうと思ったことなど一度もないし、切れたら美味しかろうと思ったこともない。)きちんと焼かれたうなぎをかみしめるから美味しいのです。同じ理由で、東海地区の料理ではあるものの、ひつまぶしは満点の料理ではないと感じる。確かに美味しいのですが、せっかくのうなぎを小さく刻んでしまってあるのを見ると残念な気持ちは否定できない。うなぎ職人さんに問いたい。極上の天然もののうなぎが入荷したらひつまぶしにしたいですか?

 関東でうなぎをいただくと、自分でかけるためのたれが提供されることがある。あれが驚きです。関東の皆さんは薄々「香ばしさが足りない。」ことに気付いているのではないだろうか。それは蒸すからじゃないのですか?箸で切れるほど柔らかくするために大きなものを失っていませんか?うな丼に自分でたれを追加するなんて、東海地方の人は想像すらしたことがないだろう。料理は完全な形で提供されるのが原則で、うなぎやで「醤油(またはたれ)を下さい。」と言われた場合、店の方は素直に出してくれるのか?ステーキ店・天ぷら屋などはどうか。「ソース(またはケチャップ)ください」は許されるのか?(この場合のソースはウスターソースです。)

 いままで60過ぎたオジさんの食事などだれも見たくも聞きたくもなかろうと思い食事の話題は避けてきたのですが、今回は関市の名物でもあるし、話題が膨らみそうでしたので触れてみました。

以上