凍りのくじら(辻村 深月)

書評家の三宅香帆さんのおすすめの10冊くらいの中にこの本があって、作者の辻村深月さんは20年近く前に「ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ」という本を読んだことが記憶にあって印象は悪くなかったので、読んでみました。
記憶にあった「ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ」は、先日取り上げた村田さんの小説でも少し触れられていた「母親と娘」の確執のようなものが主題になっていたように記憶しており、20年も前の本の内容をなぜ記憶できているかというと「ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ」というタイトルが秀逸で、母親に対する確執感が綺麗に流れていく過程が表現されていて、いまだに記憶に定着していました。
「凍りのくじら」では父親は失踪してしまっており結果として母親と暮らす女子高生が主人公ですが、母娘の確執はさほど掘り下げない。ストーカー的男性によってピンチが訪れますが…
始めから最後まで都度都度ドラえもんのアイテムが花を添えていまして、決着は正直いいますと「えっ、ファンタジーなの。」という感じは否定できないのですが、よく考えてみるとファンタジー導入については最初から十分に練りこまれているようで、最後になって驚いているのは私の過失。つまりある種のミステリー的な要素と思われるので、幼稚なファンタジーではありません。星みっつです。
以上

