老害防ぐ「初心者」の気構え (エンジェル投資家 川崎 裕一)

 2026.7.31(金)の日経新聞の「経済教室」面の「私見卓見」欄に掲示された記事に猛烈なインパクトを感じたので紹介したい。

素晴らしいワードが続々と綴られているので、まずはそれらを引用するのが一番だ。

『老害とは加齢や性格ではなく、「再び初心者になるコスト」を払うことを拒否した人の別称だ。過去の栄光にすがるのも、新しいやり方を否定するのも、すべては素人に戻る恐怖からくる防衛本能に過ぎない。』

 どうですか?いきなり本質をすごい勢いでエグってくる感じ。ワードのセンスも卓越している。

必死に吸収し、失敗し、成長する。そうして積み上げた実績が役職なり、権限となる。問題は、積み上げたものが大きくなるにつれ、

次の新しい領域へ踏み出す際のリスクが肥大化することだ。」

 これも本質をエグっている。一定以上の地位にあるサラリーマンの多くは息を飲んでいることだろう。(私もです)

川崎さんの経験・実力もこの文章から溢れ出ている。

『「自分の若いころはもっと大変だった。」「そんなやり方は邪道だ。」と優位性を示し、自分のゲームのルールを死守するほうが、短期的にはプライドを守れる。』

 サラリーマンの皆さん、もう自分の過去の話はおくびにも出してはいけない。

「多くのベテランが自分の直感や経験則を絶対視する。経験に裏打ちされた直感は貴重な資産だ。しかし、直観は腐るので、更新し続けなければならない。現在進行形の挑戦がなければ、直観は形成されず、更新もされない。環境は激変し、10年前の正解は、今日の致命傷になりうる。老害と呼ばれる人々は、このデータベースの劣化に気づいていない。」

 定年後の皆さん。ハローワークに「営業部長ができます。」なんて出していませんか?みっともないからやめましょう。何の役にも立たないですよ。

 『必要なのは、過去のデータベースを一度リセットし、今の環境で再び「冷や汗をかく体験」を積み重ねることだ。老害になるかならないかの分岐点は能力の差ではない。無知な自分をさらけ出す勇気があるかどうかだ。

 この件について私は今の仕事を開業以来、日々「冷や汗」をかき続けている。「無知な自分」をさらけ出し続けている。ただ残念なことにその結果として自身の価値向上が決定的に弱い。

 役職定年などで報酬の下がったサラリーマンの皆様。居酒屋などでグズグズ言っているのなら、さっさと切り上げて自分の価値向上に努めましょう。

日本経済新聞において、記憶に残る限りで最も有意義な記事だ。エンジェル投資家:川崎 裕一さん。忘れないでおこう。

以上